下地調整の重要なポイント5 縁切り作業
2021年2月27日更新
屋根塗装の工程には、塗装する前の下地調整がとても大事です。
カラーベストやコロニアルと言われるスレート屋根の場合には、下地調整として縁切り作業を行うことが大事です。
縁切り作業は、上塗り工事の後に行う業者もいますが、下地調整の段階でタスペーサーを設置する方が、効率も仕上がりもよくなります。
縁切り作業とは?
スレート屋根の縁切り作業とは、毛細管現象を抑えることを目的とした工程で、一般的にはタスペーサーという部材をスレート屋根の繋ぎ目に差し込んで設置していく工事になります。
毛細管現象とは、細かな隙間に水が入り込んでしまう現象で、スレート屋根の場合には、繋ぎ目のわずかな隙間が毛細管現象の発生しやすい場所になってしまいます。
吸い上げられた水分は、スレート屋根の裏側にまで達してしまいますので、雨漏りの原因になりかねません。
ただし、屋根材の下にはアスファルトルーフィングという防水紙が敷かれているので、すぐに雨漏りに繋がってしまうことは少ないですが、経年変化によってアスファルトルーフィングも劣化していきます。
一般的なアスファルトルーフィングの固定方法はタッカーによる釘止めなので、劣化してしまったアスファルトルーフィングでは防水性能も低くなってしまいます。
じわじわと滲むように雨漏りが進んでしまうことで、発見が遅れてしまいます。
その間、屋根の下地でもある野地板や垂木は常に湿気を帯びた状態なので、劣化も進んでしまいます。
毛細管現象でわずかな隙間から入り込んだ水分が、メンテナンスが遅れてしまうことで屋根の構造材まで傷めてしまう原因にもなりかねません。
タスペーサーの役割は?
下地調整の段階で行うタスペーサーの設置によって、毛細管現象の発生を抑えることができます。
通常通りに屋根を再塗装してしまうと、わずかな隙間ができてしまいますが、タスペーサーを設置することで、人為的に広めの隙間を確保することが可能になります。
しっかりと隙間を確保することで毛細管現象の発生を抑え、雨漏りの対策としても効果が期待できます。
毛細管現象の発生を抑えるためにはタスペーサーの設置が有効ですが、この縁切り作業には当然費用が発生してしまいます。
外壁塗装全体の金額から材料費と人件費を抑えるために、タスペーサーの設置を行わずにカッターやカワスキを使った縁切り作業を行う業者も少なくありません。
さらに縁切り作業自体を行わない業者も、残念ながらいますので、注意が必要ですね。
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