セメント瓦の屋根のひび割れ・剥がれ等の修理方法
2021年3月1日更新
かつて多くの住宅で使われていたセメント瓦。
今でこそ金属屋根などに押され需要が減りつつありますが、現在でもしっかりと家を守ってくれています。
そんなセメント瓦の補修方法について解説していきます。
セメント瓦とは
セメント瓦は、セメントと川砂を1:2もしくは1:3で混ぜたモルタルを方に入れ成形、塗装したものです。
パッと見ただけでは日本瓦と見分けることが難しいほどそっくりに作られています。
しかし粘土で作られている日本瓦よりも、施工しやすく耐久年数も長いため人気になりました。
また、価格が安く扱いやすいことに加えて形が選べるため洋瓦のような見た目にすることもでき、
コーディネートを楽しみたい利用者に愛されました。
しかし、セメント瓦は防水性が無いため塗装が必要であることや、日本瓦に比べ衝撃に弱いデメリットがあります。
劣化の原因
1. 経年劣化
最も多く、避けられないのが経年劣化。
いくら大切に掃除していても、毎日雨風にさらされているとどうしても劣化してしまいます。
特にセメント瓦は防水性能がないため、塗装が剥がれてしまってからは耐久性がありません。
10年以上メンテナンスをしていない場合は、一度点検してもらうと良いでしょう。
2. 落下物や飛来物がぶつかった
一番多く聞かれる原因が、落下物や飛来物によるものではないでしょうか。
室外機などが屋根に落下し強くぶつかったり、台風などで飛んできたものが激突してしまうと、
いくら耐久度の高いセメント瓦でも、割れや剥がれが生じてしまいます。
3. 人の手によるもの
アンテナの設置や補修などで人が屋根に上って作業する際に、
あまり屋根に知識のない方がセメント瓦に負荷をかける箇所に乗ってしまい割ってしまうこともあります。
また、ソーラーパネルなどの設備を設置したことによって割れるケースもあります。
4. 凍害、塩害によるもの
標高の高い地域や、気温が急激に下がる地域では凍害、
沿岸部などでは塩害が原因になる場合もあります。
凍害は、瓦内部の水分が凍ったり溶けたりを繰り返し、割れや剥がれが起きます。
塩害はその名の通り海水の塩分によって劣化しボロボロにしてしまいます。
瓦の割れや剥がれのほとんどは、1、2枚割れている程度に止まります。
そのため、「このくらいなら大丈夫かな」と思ってしまい放置してしまう方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、1枚割れているだけで十分雨漏りなどを引き起こしてしまいます。
それだけでなく、瓦の割れ目から防水シートへ日差しが入り、劣化・破損が進んでしまうことで、
屋根葺き替えや葺き直しなどの大規模工事が必要な状態になってしまいます。
少しでも割れや剥がれが確認できたら、すぐに業者さんへ連絡しましょう。
補修方法
ひび割れや剥がれの修理方法は、その大きさなどによって異なります。
小さなひび割れであれば、塗り替え時にコーキングなどの防水処理剤で対処することも可能です。
補修の上から塗膜を形成することで、修理も可能になります。
コーキングでは間に合わないような大きなひび割れや剥がれが起きている場合には、
新しい瓦への差し替えが必要になってきます。
しかし、同じ形状のセメント瓦を探すのはなかなか難しいですし、
スレート屋根などと同様に、10年に1回など定期的なメンテナンスが必要になります。
割れや剥がれがひどく、雨漏りしていたり、中のルーフィングが劣化していると、
葺き替え工事をした方が良いという場合もあります。
また定期的なメンテナンスにかかる費用を考慮すれば、早い段階で長持ちする屋根材へ葺き替え工事を行っておくこともメリットがありますね。
雨漏りなどに備えることもできますし、屋根材を軽くすることで建物への負担も軽減することができますよ。
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